2019.08.01
社内講演会「アレルギーの医療革命を支える診断・予防・治療のバイオマーカーと高性能タンパクチップ」を実施
日時:2019年8月1日(木)
題名:アレルギーの医療革命を支える診断・予防・治療のバイオマーカーと高性能タンパクチップ
講演者:徳島大学先端酵素学研究所 特任教授
木戸 博先生
講演内容
アレルギーの汎用的なバイオマーカーの一つに IgE 抗体が挙げられる。これまで、IgE の検出に用いられてきたキットは、その絶対量を測定することしかできませんでした。演者らは、ガラス面にカルボキシル基を高密度にコートし、アレルゲンを固定化できる High Density Carboxy chip を開発しました。本チップは、既存品と比較して、IgE だけでなく、他の抗体のサブタイプである IgG1-4、IgA、IgM を測り分けることが可能となります。さらには、本高性能チップによって、IgE の中に、アレルゲンに対する親和性が強いものと弱いものが混在することが明らかになりました。研究を進めた結果、高親和性 IgE がアナフィラキシーを起こすようなアレルギーの本質であり、低親和性 IgE がアレルギー症状を和らげることが分かってきました。本講演では、低親和性 IgE の存在によって、アレルギーの診断、治療、さらには予防までがパラダイムシフトする可能性が紹介されました。