2017.11.22
「泌尿器がんにおけるエクソソームのバイオマーカー・治療標的としての可能性」
平成29年11月22日(水曜日)
東京都健康長寿医療センター研究所
老化機構研究チーム 研究部長
伊藤 雅史 先生
タイトル 「泌尿器がんにおけるエクソソームのバイオマーカー・治療標的としての可能性」
=要旨=
エクソソームは、エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれた膜小胞がさらに陥入することにより形成される直径40-100 nmの膜小胞であり、エクソソームを含む多小胞体のエキソサイトーシスによって細胞外に分泌される。エクソソームの表面には細胞膜タンパクが存在し、中には細胞内タンパクおよびmiRNA・mRNA・DNA等の核酸が含まれる。したがって、エクソソームは由来する細胞の特徴を反映することから、血液・尿など体液中に存在するエクソソームは新たなタイプのバイオマーカーとして注目されている。一方で、エクソソームは細胞間情報伝達手段としても機能することが明らかになり、治療標的としても期待されている。本発表では、がんにおけるエクソソームのバイオマーカー・治療標的としての可能性について、我々の泌尿器がんでの経験を含め最新の研究動向を概説する。