2012.05.09
「日本薬学会 第132年会(札幌)」にて研究発表。オタネニンジン抽出物による酸化ストレス誘導アポトーシスの抑制及び、その活性成分に関する検討
一丸ファルコス株式会社(本社/岐阜県本巣市)は、平成24年3月28日~31日の3日間、札幌で開催された「日本薬学会 第132年会」において下記の研究成果を発表致しました。
記
題名(研究テーマ)
「オタネニンジン抽出物による酸化ストレス誘導アポトーシスの抑制及び、その活性成分に関する検討」
発表要旨
毛髪は、成長期、退行期、休止期という一定の周期に沿って成長しており、アポトーシス反応は退行期で起こっている。しかし、過酸化水素や過酸化脂質といった酸化ストレスは通常よりも早く退行期へと移行させてしまい、毛周期の短縮化に関与し、脱毛や薄毛の原因となっていると考えられている。そこで我々は、生薬として毛髪への効果が報告されており、医薬部外品の有効成分でもあるオタネニンジン(Panax ginseng C.A.Meyer)に着目し、その抽出物が酸化ストレス誘導アポトーシスに対して有効性を示すか検討を行い、さらにその有効成分についての検討を行った。
ケラチノサイトにオタネニンジンの根のEtOH溶液抽出物を添加し、過酸化水素にてアポトーシス誘導刺激を行った後、16時間培養した。その後MTT法を用いた生存細胞の検出と、Hoechst 33342・PIの二重染色にてアポトーシス抑制効果を評価した。その結果、ケラチノサイトに対して顕著なアポトーシス抑制効果を認めた。 また、アポトーシス陽性であるPI染色細胞が非添加と比べて顕著に少なかった。さらにその抽出物をダイヤイオン HP20、HPLCなどを用いて分画を行ったところ、ジンセノサイド類を主体とするサポニン分画にアポトーシス抑制活性が見られた。なお、その活性成分については現在検討中である。
以上の結果より、オタネニンジン抽出物の毛髪に対する新たな有効性を明らかにすることができた。