2013.05.09
「日本薬学会 第133年会(横浜)」にて研究発表(3)。パッションフルーツ果実抽出物の皮膚リンパ管に対する効果
一丸ファルコス株式会社(本社/岐阜県本巣市)は、平成25年3月27日~30日の3日間、横浜で開催された「日本薬学会 第133年会」において下記の研究成果を発表致しました。
記
題名(研究テーマ)
「パッションフルーツ果実抽出物の皮膚リンパ管に対する効果」
Effect of Passiflora edulis extract on dermal lymphatic capillary
発表要旨
リンパ管は全身に広く存在し、不要な老廃物、組織間液、炎症細胞などを排出する重要な役割を果たしており、リンパ管の損傷はむくみだけでなく炎症の増悪化を引き起こすことも報告されている。皮膚のリンパ管は真皮に存在し、紫外線、生理的老化により、その機能が衰えることが知られている。リンパ管の機能低下による老廃物などの蓄積は、肌状態を悪化させ、様々なスキントラブルに繋がる可能性が考えられる。そこで皮膚への抗老化作用が期待されるリンパ管形成を高める植物抽出物の探索を行った。
正常ヒト皮膚微小リンパ管内皮細胞を用いて植物抽出物の細胞増殖活性をWST8法により評価した。マトリゲル上に同細胞を播種し、試料添加6時間後、管腔形成を顕微鏡下で観察した。
様々な天然物の皮膚リンパ管内皮細胞の増殖に対する効果を調べた結果、パッションフルーツ(Passiflora edulis)果実抽出物をはじめ数種類の植物抽出物に、増殖促進作用が認められた。続いて、管腔形成に対する影響を調べた結果、パッションフルーツ果実抽出物に形成促進効果が認められた。さらに、パッションフルーツ果実抽出物を配合した外用剤を用いて、ヒトモニター試験を行ったところ、2ヶ月間の使用により、顔面部のむくみ、L*値(明度)、経表皮水分蒸散量(TEWL)に改善が認められた。以上の結果から、パッションフルーツ果実抽出物は、皮膚微小リンパ管の形成に働きかけることにより、肌状態を改善する可能性が示唆された。