2013.05.09
「日本薬学会 第133年会(横浜)」にて研究発表(1)。HPLC-ELSD分析における条件の検討
一丸ファルコス株式会社(本社/岐阜県本巣市)は、平成25年3月27日~30日の3日間、横浜で開催された「日本薬学会 第133年会」において下記の研究成果を発表致しました。
記
題名(研究テーマ)
「HPLC-ELSD分析における条件の検討」
発表要旨
蒸発光散乱検出器(Evaporative Light Scattering Detector:ELSD)はHPLCで多用される検出器で、カラムから溶出した溶出溶媒を蒸発させることにより目的化合物を微粒子化し,その散乱光を検出することにより測定するものである。散乱光で検出するため、紫外線吸収のないものなど、適用範囲が広く、グラジエント分析にも応用可能である。しかし、微粒子化させることにより検出しているため、その微粒子の形成要件により測定結果が変動することもある。微粒子化の変動要件として温度、溶媒組成が考えられ、その影響の検討を行った。
脂肪類、トリテルペノイド、フラボノイドなど数種の化合物を同じ試料溶媒にて調製したものをHPLC-ELSD Systemにより分析を行い、使用法、環境による影響を検討した。
同じ試料を分析した結果、ネブライザー部分の温度が高いほど、面積値が高くなる傾向を示した。またネブライザーでは常に溶出液の気化が行われているため、周囲より温度が数度低くなっていた。また、溶出溶媒により、面積値が異なり、これは溶媒により微粒子の状態が異なること、気化熱により温度が異なってくることなどが原因と考えられた。これらの結果からELSDを使用する際には設置環境などへの注意が必要であり、測定結果について議論する際にはこれらのデータもあわせて検討する必要がある。