2011.08.17
「第29回 日本骨代謝学会学術集会」にて研究発表。シナロピクリンは炎症によるHIF2A/NF-κBシグナルの活性化を抑制することで軟骨を保護する
一丸ファルコス株式会社(本社/岐阜県本巣市)は、平成23年7月28日~30日の3日間、大阪で開催された「第29回 日本骨代謝学会学術集会」において、下記の研究成果を発表しました。
記
題名(研究テーマ)
「シナロピクリンは炎症によるHIF2A/NF-κBシグナルの活性化を抑制することで軟骨を保護する」
発表要旨
変形性関節症(OA)は、軟骨の細胞外マトリックスを構成するⅡ型コラーゲンやプロテオグリカンの分解亢進による軟骨の減少が機能障害をもたらします。また最近では、NF-κBの活性化で誘導されるHIF2AがOAの原因分子のひとつと報告されました。
これまでに一丸ファルコスでは、アーティチョーク(Cynarascolymus L.、COMPOSITAE)抽出物に強いNF-κB抑制効果を確認し、さらにその活性成分がシナロピクリンであることを報告してきました。
今回我々は、OAの原因分子であるHIF2Aの炎症による発現増加が、シナロピクリンの添加により有意に抑制されることを確認しました。さらに、免疫蛍光染色の結果から、炎症によるNF-κBの核内移行がシナロピクリンの添加により抑制されていたことから、シナロピクリンには炎症によるHIF2A/NF-κBシグナルの活性化を抑制する可能性が示唆されました。
そして、軟骨基質の発現に対しても検討を行い、炎症によるプロテオグリカンの発現減少が、シナロピクリンの添加により抑制されたことを確認しました。
これらの結果から、軟骨分解の抑制と、軟骨合成の低下を抑制することで、軟骨を保護する可能性を示すという研究成果を発表しました。