クレソンが毛髪の悩みを救う！オランダカラシエキスへの強い思い

抜け毛や白髪などは、多くの方が抱える悩みだと思います。私たちは化粧品に配合される成分によって、これらの問題を改善できないかと考えました。そこで着目したのがオランダカラシエキスです。このエキスには、発毛効果のあるタンパク質「R-spondin 1」の分泌を促す効果があるということが見出されたからです。今回はオランダカラシエキスの開発ストーリーを開発者の橋本からご紹介します。

　

　

抜け毛や白髪などに悩む女性のために頭髪用原料の開発を始めた

　

私たちは、男性だけでなく女性の髪の毛の悩みにも貢献したいという思いから頭髪用原料の開発を始めました。なぜなら、医薬品に使われる成分は、女性は男性と同じ成分量を利用できないからです。例えば、医薬品で利用されているミノキシジルの推奨される量は、男性用で5%、女性用で1％とされています。女性の推奨される数値が男性よりも低い理由として、妊娠中や授乳中、妊活中などの利用において安全性が確認されていないという点が挙げられます。

このように、女性はミノキシジルをできるだけ控えるようにといわれていますので、女性の髪の毛の悩みに関する選択肢は非常に少ないのが現状です。そこで、私たちのような化粧品成分を開発している企業が、多くのヒトが安心して使用できる頭髪用原料の開発に適しているのではないかと考えました。もちろん男性にも利用していだきたいのですが、髪の毛のお悩みにまつわるケアの選択肢が限られている女性にも使っていただきたいと思います。

　

自らの体を張って開発したオランダカラシエキスへの強いこだわり

オランダカラシ（クレソン）Nasturtium officinalis

　

オランダカラシエキスには、強い思い入れがあります。なぜなら、開発までにいろいろな苦労や失敗を重ねてきたからです。オランダカラシエキスの開発を始めるまで、約150種類の植物を一つ一つ調べました。その中で、最も毛髪ケアに重要だと考えていたタンパク質「R-spondin 1」を産み出す力が、オランダカラシエキスは特に強かったのです。そこで、オランダカラシエキスに特化した研究を進めようと決めました。

　

今回、私は自分の髪の毛を使って研究をしました。2日に1回のペースで自分の髪の毛を約20本抜き、細胞と同じように髪の毛を培養するのです。毎日その髪の毛を観察するといった作業を約２年間続けました。研究を始めた頃はオランダカラシエキスにより「R-spondin 1」の分泌量は増えましたが、３か月を経過した頃から急に増えなくなってしまいました。詳しく調べた結果、一般的にエキスを作成するのに用いられる浸漬抽出では、「R-spondin 1」を分泌させるために必要となるオランダカラシエキスに含まれる成分が、製造過程で壊れてしまうことがわかりました。そこで当社の生産部門にも協力してもらい、独自の製造方法を練り上げました。

　

毛髪由来細胞の培養

　

このように、ゼロの状態から製品化に至るまで試行錯誤した結果、毛髪ケアに最適なオランダカラシエキスができあがったのです。自分の髪の毛を使ったということもあり、この開発は、これまで携わった研究の中でもかなり印象深いものとなりました。

現在、「R-spondin 1」は再生医療分野で注目を浴びていますが、その有用性は化粧品分野では私たちしか取り扱っていません。これからは化粧品分野においても、さらに注目されることを強く願っています。

　

さまざまな方に使っていただきたい

　

現在、抜け毛といった毛髪ケアに使われている製品には、飲み薬や頭皮に塗る医薬品が販売されています。どちらかといえば男性が利用するものが多く、女性が利用できる製品はそれほど多くありません。弊社のオランダカラシエキスは発売前のテストで皮膚への刺激も認められず、またアルコールを含まないタイプも用意しているため、皮膚のかぶれが心配な方やアルコールを使いたくない方にもご利用していただきたいです。

また、現在、弊社のオランダカラシエキスは、まつ毛美容液としても利用されています。開発者としては、男性の方はもちろん、女性の髪の毛やまつ毛などでお悩みの方にぜひ使っていただきたいと思っています。

　

　

オランダカラシエキス研究は続く

　

オランダカラシには古くから発毛促進作用があると云われており、私たちの研究で見出されたR-spondin 1以外の発毛メカニズムを持っている可能性もあります。オランダカラシエキスに存在する発毛に関わる成分を特定しつつ、それらの発毛メカニズムを明確にして行けたらと考えています。有用成分次第では経口摂取でも発毛促進効果が認められるかもしれません。化粧品や医薬部外品などの外用剤だけではなく、育毛サプリといった食べて効果が出るような素材になれば、より多くの方のQOL向上に役立てるのではないかと考え、今後も研究を進めていきたいと思っております。

　

オランダカラシエキスの作用メカニズム